elkurin’s blog

銀英伝はいいぞ

国際学会で発表してきました@韓国

4/18-4/21の間、AAAC 2019 〜The 12th Annual Meeting of the Asian Association for Algorithms and Computation〜 という学会に参加するために韓国の延世大学というところに行ってきました。(http://toc.yonsei.ac.kr/aaac2019/)

延世大学は韓国の慶應大学とも言われているらしくて、土地の使い方が贅沢で庭だらけベンチだらけのくそ広い大学でした。

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他の大学の方々は結構教授とか助教の方が一緒で団体行動感があったんですが、うちは学生だけしか参加せずM1の2人でぽいーと投げ出されて読み方すらわからん文字だらけの国をうろちょろしていました。学会も初めてで勝手もわからんなあと思いながらも、弊研のもう一人は海外でも余裕そうだったのでそういうもんか〜と僕も頑張って韓国を彷徨ってきました。言葉もわからん海外に一人で放り出されたのは初めてで生きていけるんかと心配(多分親の方が心配)でしたが意外となんとかなるもんで、その時の感想とかを書きます。

自分の発表の話

学会で発表した内容は卒論の内容+αで、"Fixed Parameter Tractability of Minimum k-Path Vertex Cover with Treewidth and Branchwidth"というタイトルで発表させてもらいました。ざっくりいうと、Vertex Cover問題の拡張版であるk頂点からなるパスを全部カバーする頂点被覆を探そうというNP困難問題があって、これを解くFPTアルゴリズムを今までと異なるパラメータで作ったというお話です。

僕の研究と近い研究をされていた先生がいらしたので、その方と意見交換できてとても良かったです。

弊研は結構プレゼンを熱心に指導してくれるところなので、何度も発表練習を教授が指導してくれて、日本を発つ当日にも午前に発表練習を見てもらいました。発表練習中も弾丸トークをやめろと言われ続けていたので、当日は自分的にはゆったりめで話して、特に内容が転換するタイミングではちょっと間をおいて"Now I move on to hogehoge"みたいな感じで喋ろうとしていたのですが、結局うまくできていたかわかんないです。ただ終わった後に数名に「英語うまいですね」と話しかけられて初対面の方との交流のきっかけになったのでよかったです。こんなことでも話の種になるんだなあと思ったと同時に、英語圏に行ったらあたりまえ体操なので他のアイデンティティが必要だなあと思いました。

他の人の発表の話

僕と弊研のもう一人はどっちもM1だったんですが、結構助教の方とかの発表も多くて、SODAに通ってる論文の発表もしている方もいました(AAACは学会として論文は出しておらず、アブストの提出だけにすることで他の学会にも同内容の論文を提出していいよという形式の学会です)。

学会は同時に2セッション行われていたので、僕と弊研のもう1人とで違うセッションを聞きに行き、休憩時間に内容の情報交換をしました。

僕の中で一番好きだった発表は、いっぱいワイヤーがあってこれらのうちどの2本を何回ひっくり返すのかみたいな情報が与えられている中で、1回の操作を今あるワイヤーの任意の隣り合うものをひっくり返す(1と2をひっくり返す、3と4をひっくり返すみたいな独立なswapを複数同時にしてもいい)こととして、出来るだけ少ない操作でひっくり返す時の最適解を求めるみたいな問題を解いた発表でした。

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出典: https://arxiv.org/pdf/1901.06548.pdf

問題設定がシンプルでそれまだ解けてないんだーみたいなのが結構びっくりだったのと、発表がうまかったので聴きながら色々考察が進みました。ちなみに、swapの最適解を求める問題はNP困難だと今回示すことに成功しているそうですが、そもそも与えられたswapの列がfeasibleか(そのようなswapを満たすものが存在するか)はNP困難かまだわかんないみたいでopen-problemだそうです。すなわちワイヤー1,2,3がその順番で初期状態並んでいる時、(1,3)のみswapしなさいというお題はnot feasibleです。1,3をswapするためには2を交差しないといけなくて、すると(2,3)とかいう新しいswapが生まれて条件を満たさないので。

他に僕が興味があるのは、発表中ではワイヤーの初期順番固定の設定だったんですが、初期順番も任意に設定できるとすると全ての組み合わせがfeasibleになったりしないかなあとか考えています。自明な反例が今のところなさそうだなあと学会の間考えたりしていました。

arxivに論文が上がってます→https://arxiv.org/abs/1901.06548

 

他にも面白かった発表は結構あって行った甲斐があったなあと思いました。ただ正直なことを言うとプレゼンがなかなかヤバい人が少なからずいて、論文を貼り付けたようなスライドを原稿代わりにしているみたいな発表をしている人が数名いました。弊研の教授がいつもおっしゃっている「研究内容が良くても発表がダメだったら誰も聞かん」と言うのを身に沁みました。実際その通りで、スライドに定義とか数式とかをぐちゃぐちゃ書いてそれを読み上げているみたいな発表は、自分が既に興味を持っている分野とか詳しい範囲でもない限り理解が追いつかないしそもそも聞かんという感じでした。ちゃんとプレゼンを大事にしていこうと思います。

多分大事なのは、厳密な定義とかじゃなくてイメージや直感を伝えることだと思いました。これから意識していこうと思います。

交流の話

学会は発表と発表の間にcoffee breakがあったり、夜にbanquetがあったりと結構他の研究者の方とお話しする機会があって、普段知らない人がいっぱいいたら部屋の隅でtwitterしてるような人間の僕ですが、trip reportという報告書を弊研に出さないといけないという義務感が勇気になっていろんな人に話しかけたり質問しに行ったりできました。動機不純かもしれないけどそんなの知ったこっちゃないしいいきっかけをもらった思います。こういう時に質問とかがすっと英語でできたのはよかったです。ほっとくと鈍るのでこれからも定期的に英語喋る環境に行こうと思います。

また、現在韓国にいらっしゃる弊研の先輩にもお会いして、お話ししたり韓国料理店に連れて行ったりしてもらえました。

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観光の話

普段引きこもりの僕がびっくりするほど積極的に動き回って自分でもびっくりしました。このびっくりを共有します。

学会1日目の夕方以降は特にイベントもなくまだ始まってもないから新しく知り合った人もおらず、弊研のもう一人は学食でいいとか言ってるので仕方ないから一人で明洞という街に行ってみようとしました。いやしかしこれが行くのが大変大変。Googleマップで検索するとバスが出てくるんですが、なんかいろんな色のバスがあってでも同じ色でも行き先とかが違って、同時にたくさんのバスが来るからどれが正しいかもわかんなくて、乗りそうな意思を見せないとドアすら開かずに通り過ぎて行くから瞬時に判断する能力が必要なんですよ。しかもいくら払うのかもどこで払うのかもわかんないから後ろの人とかに迷惑かけそうだしそもそも乗っても韓国語ばっかで正しい方向にいってるかもわかんないし、変なとこ行ったら帰って来るのも厳しいしこりゃ無理だと思い、バス停付近で挙動不審にバスを7本くらい見送ってから諦めました。もうひきこもるか…と諦めていたところ、神女同期が延世大学になんと留学したことがあったらしいと聞き「助けてーー」と助けを求めたところ、初心者にバスは無理だから電車乗れという訓示をいただき、少し歩いて新村駅から電車に乗ることにしました。駅に着くとなんと券が買えない!と思ってうろうろしていたんですが、券売機っぽいもので日本語を選択できて最強になりました。日本語の路線図だと漢字で書きがちなんですが、だいたい駅の表示は韓国語と英語読みで漢字じゃわかんねえよ!!とキレ気味でしたが、無事方面も間違えずに乗り換えもちゃんとやって明洞に着きました!この時点ですでに引きこもりの僕はヘトヘトで、明洞の場所登録できたから一旦拠点帰って明日ルーラで来よう…みたいな気持ちでした。これを読んでいる中で起業したいけどネタで困っているよって方がいらっしゃいましたら、ぜひルーラを作ってください。

さて、明洞に着きました。明洞といえば食べ歩きらしいので、とりあえず韓国に行ったことがある友人が進めていたチーズホットグというチーズを揚げてケチャップとかつけて食べるジャンクフードを食べました。美味しかったです。けど一人でケチャップこぼしそうになりながら食べ歩きしてるのはちょっと恥ずかしかったです。今度2人以上で行きたいと強く思いました(これは伏線です)。なので1個で社会性ポイントが枯渇しました。

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そして、わざわざこんな苦労してまで引きこもりの僕が明洞に来ようと思った理由は、明洞実弾射撃場に行くためだったんですね。そういうわけで射撃場に行きました。射撃場がある建物はすぐ見つかったんですがなかなか入り方がわからなくて、結局建物の裏口みたいなところから警備員さん的な人がいるところを通るちょっと秘密通路みたいなところから行けました。ワクワクしましたがやっぱり一人で行くと裏口に入る勇気を手に入れるまでに3回くらい覗いてはここで合ってるかなあ〜一旦戻ろを繰り返しました。お値段は10発4000円でワルサーP38を選んで撃ちました。とても楽しかったです。平均より点数がだいぶ高く結構上手かったらしくて受付の人に褒められました。次は反動重めの銃を撃ってもいいですねと言われました(これは伏線です)。ここで外出ポイントを使い果たし、僕自身も目的を達成して満足したのでホテルに帰宅しました。行きは電車の乗り方がよくわからんくて大変だったんですが、帰りは勝手もわかったので余裕で帰れました。

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これがえるたそひとり旅の概要です。しかし社交的な僕の旅はここでは終わりません。

学会最終日、全ての学会イベントが終了し解散になった後、東工大や九州大、そして東大の他の研究室の方と一緒にご飯でも行くかーとなりました。弊研のもう一人はやっぱりソロ観光に行ってしまったので、僕は、すでに知り合いがいる同士の人のコミュニティーに部外者が一人で乗り込んで行くという僕にしては勇気ある行動を取りました。完全に陽キャです。けどみなさん社交的なので余裕で馴染めました。そして焼肉を食べました。

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しかももっとすごいことがあるんですが、飛行機の時間まで結構時間あるねーということでどうしようかとなった時、なぜか僕が率先して数理情報の方々を案内して明洞行ったんですね。完全に陽キャです。と言うわけで明洞セカンドが実行されました。すでに行っているので僕がだいぶ勝手を知っており、1日目とは違ってスムーズに観光に成功しました。ちなみに数理情報の方の中でとても名前がかっこいい女の子がいたんですが、射撃場があると言うとその子が行きたい行きたいと言ってくれて感動しました。で、2日ぶり2度目でまた射撃場行きました。僕は今度はちょっと重めのベレッタを撃った(伏線回収)んですが、上下ブレがすごくてP38撃ちやすかったなーと思いました。そしてそのまま食べ歩きゾーンに行き、今度は団体行動だったので食べ歩きも恥ずかしくなく(伏線回収)、僕はバナナクレープとチョコがけいちごとアイスたい焼き(なにそれ)を食べました。インスタ映えです。数理情報の方々曰く、前来た時はまっ昼間でまだ屋台とかが全くなくつまんなかったので連れて来てもらえてよかったと言ってもらえました。教授の方が娘さんのためにディズニーの靴下を屋台で買っていらしてほっこりしました。

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そんなこんなで飛行機時間になり帰宅したんですが、そこでもイベントが発生しました。僕はその日銀英伝カフェでゲットしたローゼンリッター上着を着用していたんですが、そのロゴをみて数理情報の女の子が「これもしかして銀英伝?」と聞いてくれて、そうなんです〜〜〜〜!!!!!!!と韓国一テンションが上がりました。いつも野生の銀英伝人を探すために着ているのですが初めて言われたのですっごくすっごく嬉しかったです。韓国に行ってよかったです。

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以上が僕のすごい積極性日記でした。

あとツイのオタクどもがお土産お土産うるさいので、美容パックをたくさん買って帰りました。きっとみんなすごく喜んでくれると思います。

総括

韓国最高!銀英伝最高!