elkurin’s blog

銀英伝はいいぞ

人狼TLPTを布教したい

こんにちは。

人狼TLPTファンです。

8月23日から9月3日まで公演されていた舞台『FLAG III 誓いの酒と呪われし秘宝』がとても良かったので感想及び布教記事を書きたいと思います。

 

(elkurin-daily-notes 103日目です)

人狼TLPTとは

推理や議論、時には騙しあいを中心としたパーティーゲーム人狼」。

そんな人気のゲームを題材にして舞台化したのが『人狼 ザ・ライブ・プレイングシアター』通称人狼TLPT。TLPTでは人狼ゲームをアドリブ劇で行います。

oracleknights.co.jp

みんな知ってる人狼というゲームを、役者さんたちが実際にその場でプレイしながら劇をするという斬新な舞台です。人狼というゲームは処刑や裏切りが濃く絡んでくるので人間ドラマとして素晴らしい題材なんですよね。

脚本はオープニングだけで、その後はなんとすべてアドリブ。

各役者さんたちは開演直前に人狼や占い師などの役職をランダムに受け取り、ゲームに則って戦いながら演技も全力でするという超ハードモードです。当然ゲーム展開や持っている役職によって演技は変わるし、その場に合わせて物語を紡いでいく役者さんたちの技量に感服すること間違いなし。シリアス展開もあればコメディ展開もあり、客席が笑いに包まれることも多い。一方処刑シーンやエンディングでは涙もろい僕はいつも泣いています。

 

ルールは人狼3人 狂陣1人 vs 予言者1人 霊媒師1人 狩人1人 村人6人 の13人ゲーム。俗に言うアルティメットルールです。詳しくない方向けに劇中や始まる前の前説でしっかり解説してくれるので心配無用。

昼の議論から処刑までを舞台上で演じ、夜の行動である誰を噛むか、誰を占うかなどは舞台裏でGMのもと執り行われます。なので、観劇している我々も誰が人狼で誰が本物の役職者なのか分からず、推理しながら楽しむ構成になっています。客席には開演前に解答用紙が配られ、3日目の段階で誰が人狼かを推理して提出するといった参加要素もあります。公演中にもガンガンメモとって推理してもよし、純粋に物語や演技を楽しんでもよし、誰でも楽しめる傑作舞台。

 

アドリブでの本気のゲームなので、人狼が一瞬で見つかって終わるゲームもあれば、最終日までもつれ込む白熱した試合もあり、どのゲームでも違った展開が楽しめるので同じ公演に何度も足を運んだり生放送を観たりしても面白いです。

 

説明ばかりでも伝わらないと思うのでぜひ一度見てみてください。

youtu.be

これはYoutubeで無料で1ステージ全部公開されています。ゲーム展開は比較的わかりやすいものですが人狼TLPTの面白さは伝わると思うのでぜひ見てみてください。

もしお金を出してもいいよって方は下で紹介する『おすすめ公演』を見てみてください。

舞台まで足を運ぶのは厳しいという方も、家から動画を見て楽しめます。

 

FLAG公演の良さ

人狼の一番オーソドックスな設定は、村に人狼が襲ってくる展開。

上で紹介した動画もその設定を用いた舞台で、昔のネット人狼でよくみるキャラ名と村でのお仕事が割り振られています。例えばパン屋のパンジー、医師のマドック、団長のダンカンといった感じです。

 

しかし人狼TLPTの公演には他にもいろんな設定の舞台があります。

 

例えば

  • たまたま集った犯罪者集団の中に人狼ドラッグを打ったやつがでた
  • 勝てばどんな望みでも叶い負ければ死ぬというデスゲーム
  • 研究対象として非道な実験を受けてきた人狼が研究者に復讐する
  • 難関校の一発逆転裏口入学の秘密入試試験

他にもサイコパスドラクエ宇宙兄弟などコラボ回もありました。

 

その中で今回のFLAG公演のテーマは 海賊船

 

幻の大陸を目指し仲間同士一致団結した自由な海賊たち。

そんな彼らはゴール目前で幻の大陸由来の呪いを受けてしまい仲間のうち3人が人狼の呪いにかかってしまう。

仲間同士争うことになるがそれでも前に進むことを選び人狼と人間の命を賭けた戦いが始まる。

 

それぞれの舞台設定でいろいろと特色が違い、例えば人狼が悪人のこともあれば人狼がむしろ被害者の設定もあり、人が死ぬことに恐れを抱く普通の村人設定もあれば比較的人死にに慣れている設定もある。仲間同士絆があるもの、むしろ敵対していてみんな死ねばラッキーみたいな設定もあります。

それぞれ違った良さがあるのですが、中でもFLAGは僕が一番好きな公演です。

海賊という人の道からは外れた存在で人狼というトラブルにも真っ向から立ち向かっていく強さを持つ一方で、一つの船にずっと乗り合わせているが故に仲間内の絆はどこよりも深い、それ故に人間ドラマの比重が高い公演です。そしてこの舞台においては人狼とはあくまで呪われてしまった仲間。その心の中にはまだ仲間がおり、人狼だったとしても呪いから救ってやるために殺します。なので、敵対心や憎しみは限りなく少なく、人狼勝利展開でも呪いに負けて仲間を食い殺してしまった悲痛な無念さが際立ちます。陣営は違えども最後まで仲間として死んでいくのが美しいですね。

 

村設定だとやはり人狼への恐怖がとても大きく、どうしてもどんよりと弱気な雰囲気があって、焦点があたるスポットも狭い気がしています。一方海賊船ではむしろ楽しんでやってやろうじゃねえか!といった清々しさを感じ、すぐに前に進むので物語の展開もキャラ設定もより深堀りされるように感じます。

 

海賊という性質上みんな訳アリばっかなので、その裏設定が垣間見えるセリフやシーンはめちゃくちゃエモいですね。

 

良かった公演

追記(2024/03/24): 現時点でこのセクションに乗せている公演はすべてタイムシフト期間が切れています。現在も視聴可能なものについては次のセクションの「その他のおすすめ公演」をご覧ください!

 

もともとこの記事は感想を書こうと思っていたんですが、人狼TLPTの感想はどうしてもネタバレありきになってしまい、それより是非TLPTを観てみたい!と思ってくださった方に初見の感動をプレゼントしたいので、ネタバレ無しで書いていきます。

今ならまだタイムシフトで観劇することができるのでぜひ見てみてください!

 

注意:こちらの公演はちょっと高めです。もっと安い方がいい場合は次のセクションを確認してください。また9月末に期限が切れちゃいます。観たい方はお早めに!

最初の30分は待機時間なので30分くらいからご覧ください。

 

 

全20回の公演のうち僕が観たのは1・4・5・6・7・11・12・15・19・20とちょうど半分の10回。(残りのやつもこれから観たいと思っています)

 

やはり最高だったのは千秋楽の20ステージです。

live.nicovideo.jp

ゲーム展開も面白く、役者さんの推理力・立ち回りに驚かされる部分もあれば、ちょっとおもしろ要素もあり、そして最後の締めの演技・ストーリー展開は、これがシナリオのないアドリブ劇だとは信じられないほど素晴らしかったです。

詳しくはネタバレになるので、ぜひ見てみてください。

 

次に印象深かったのは15ステージですね。

live.nicovideo.jp

とあるキャラ(メイソン)が突然全キャラに恋人設定を無茶振りで割り振り、その設定に基づいて演じていく恋愛回でした。こういう無茶振りにも対応して自身の設定を書き換えていけないのが役者さんの大変なところです。

愛し合う2人のうち片方を殺すというのはヨコオタロウの十八番ですが、人狼ゲームという性質上ここでも日常茶飯事です。期待通りエモい展開が多かったです。

 

そして6ステージ

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入りの面白展開から、エンディングでのセリフの伏線回収が素晴らしい物語。

キンバリーって本当にいい役者だよなあ。

 

そして5ステージ

live.nicovideo.jp

この公演はゲーム展開が面白く、そしてライラという本公演からTLPTに初参加された元アイドルの方が覚醒した回です。やはり新しい人が活躍しているのはいいですね。

 

他もどの回も外れがなくて今までのTLPTの中でも最高でした。

 

その他のおすすめ公演

ここでは今回のFLAG公演以外で、内容+値段的におすすめなものを載せていきます。

気になったやつを見てみてください。

 

こちらは500円・800円・あるいはタダと比較的安いので気軽に見ることができます。

 

昔のFLAG

www.nicovideo.jp

今回紹介したFLAG設定の過去公演。一番おすすめな回。

ぜひ結末を見届けて下さい!

Mission

登場人物が全員犯罪者のカッコいい公演からひとつ。

www.nicovideo.jp

人狼ドラッグというレアなクスリを盗むため集められた犯罪者たちによるバトル。賞金を得るために戦っており、仲間意識はゼロ。むしろ人が減ればもらえる金が増えるので率先的に無駄死にを増やそうとすることさえあるというワイルドな世界観です。

みんな人死には慣れっこなので処刑シーンは殺す方も殺される方もサッパリしており、コメディにふれることもあれば、人の心がなかった天才が人を信じ信じられることを学ぶエモ回もあります。

ここで紹介するものはコメディ回ですかね。

 

Exam

学園の入試として人狼ゲームをやる設定。

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この公演は他とはだいぶ毛色が違い、何と言っても人が死にません。他の設定では本当に危機が訪れて人狼に噛み殺されたり仲間に処刑されたりするわけですが、試験ではゲーム内で追放されるだけで死なないし、追放されても自陣営が勝てば良いので清々しいライバル感があります。とはいえ、一発逆転チャンスにかける生徒が集まっているので当然本気の戦いではあり、おすすめにあげた動画はゲーム展開もかなり面白いです。

 

村公演

原点にして至高。やはりオーソドックスな村設定も欠かせません。

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TLPTの舞台では13人のうち真ん中に座る人がセンターと呼ばれ、議論の流れを仕切りまとめる役になります。センターになる人のプレイスタイルやキャラによって舞台の雰囲気は大きく変わります。

この村公演ではノエルという、今回のFLAG公演ではなんと演出家をしていた人がセンターになっている珍しい回です。頭の回転が速くいつも早口でロジックを組み立てるノエルがセンターになると優しい感じになってなんかいいですね。

 

Depth

実験対象として非人道的なことをされ続けた人狼が自由を得て冷徹な研究者と戦う一風変わった設定。

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普通は人間側が被害者で人狼は悪役ですが、この設定は立場が逆転しているところが面白いですね。

狂陣は人狼の痛みを理解し救ってあげる存在で、そのポジションに誰がなるのかでいろんなエモストーリーができるのが好きです。

The Room

こちらはアマゾンプライム会員なら無料で見れるおすすめ公演です。

www.amazon.co.jp

デスゲーム設定で、勝てばあらゆる願いが叶い負ければ死ぬというわかりやすいストーリーです。

めちゃくちゃ最高!というわけではないですが十分面白いし、なんといっても無料で見れるのでおすすめします。

おまけ:アルティメット人狼

人狼好きなら絶対知ってるであろう殿堂入りの名作。

youtu.be

こちらは「アルティメット人狼」という、TLPTの役者だけではなくゲームクリエイター将棋棋士などが集って行われるゲームです。TLPTの舞台とは違い演技はありませんが、客に見せるための工夫が凝らされており面白いです。

中でもこの試合はやはり最高のゲーム展開なので最後まで見てみてください。

舞台よりはゲームだけ観ていたいよって方はぜひこちらをどうぞ。

 

以上。

おすすめセレクションを見ると僕が誰が好きなのか丸わかりですね。

また次回公演を楽しみにしています。

今回も最高に素晴らしい舞台をありがとうございました。