elkurin’s blog

銀英伝はいいぞ

グノーシアをクリアした感想

RTA in Japanを観ていたときに人狼ベースのRPGと聞いてこれはやらねばと思い即購入した。

その後だいたい3日くらいでクリアした気がする。

とてもよかったし面白かったのでおすすめしたい。

というわけで、その感想を書いてみる。

(elkurin-daily-notes 91日目です)

 

※最後に大事なことを書いているので、そこだけはみんな読んでください!

どんなゲーム?

NPC人狼をするRPG

と聞くと、どうせ人狼するなら対人が良くね?という気持ちになるが、人狼好きな僕もかなり楽しめた。

そして、ただ人狼というゲームをしていくだけではない。何度も人狼ゲームを繰り返していくとストーリーが進んでいく。でも、どうやって毎度人死にがでる人狼ゲームをRPGでするのか?そう、これはいわゆるタイムループものである。RPGの戦闘部分が人狼みたいな感じ。

主人公含め15人の登場キャラクターがおり、そのうち5~15人ランダムで選ばれて人狼ゲームを行う。役職も毎回ランダムに配られ、当然主人公が人狼になることもある。

この人狼ゲームに勝ったり負けたりを繰り返し、毎回違う展開を見て、そして世界の謎やキャラクターの背景を解き明かしていく。ストーリー重視なプレイヤーも楽しい。というかこちら側がメインの長所だと思う。

 

ストーリーについてはほぼネタバレになってしまうので可能な限り言及せず(ノーマルエンド、真エンドともにめっちゃいいよ!!!!)、キャラクターの感想と人狼ゲームの感想に大きく分けて感想を書く。

 

キャラクターについて

グノーシアの良さの核となる登場人物たち。このキャラクターたちが魅力的なので何度も同じメンツと人狼をし続けられるし、イベントを回収するために面倒な部分も続けられる。

キャラ設定が本当に絶妙で、イイやつだなと思わせるお約束のシーンもちゃんとあるし、でもどいつも人間味にあふれていて、一緒に過ごしていて楽しい。不快感を感じるキャラは誰もいなかった(が印象のないキャラは何人かいた)。

14人のキャラについて核心のネタバレは避けながら感想を綴っていく。

 

セツ

グノーシアは主人公とセツ2人の物語。

性別は「汎」という男でも女でもない相棒キャラ。主人公とともにタイムループしている唯一のキャラ。ただし、常に一緒に時を歩んでるわけではなく、互いに違う世界に飛ぶし、敵陣営にもなる。

人狼的にはロジック寄りの冷静なキャラだが、結構アツいシーンとか大人気ない要素(嫌いな人を定期的にヤってしまう)もあって、普段は冷静であるよう努めているんだろうなってところがいいと思いました。

最初出てきたときは先輩って感じで頼りになるんですが、常に同じ順番にタイムループしているわけではないというのがミソで、自分のほうが先輩になるループもあるので、終盤になってくるとだんだんポンコツさが見え隠れするようになる。かわいい。

このキャラは物語の核心に近すぎるのであまり書けない。以上。

 

ラキオ

カラフルで変な頭した、高飛車頭脳派キャラ。



人狼的にはロジック型のキャラだがかわいげがなさすぎて初日処刑されまくっている。コミュニケーションが下手くそ。

会話の8割が罵倒と嘲笑なのに全然ウザくない奇跡のキャラ。こういう上から目線キャラが噛ませでなくちゃんと強い・賢い作品が大好きです。

人狼詰将棋クイズを度々出してくるんだが、正解して君と同じレベルにいるんだよアピールをしないと相手にしてくれないのかと思いきや、むしろ間違えるとウッキウキで解説してくれるし多分こちらの好感度も上がっているところがかわいい。

知性至上主義の国出身で自身もそれに則った性質をしているように思いきや、仲良くなってみると国の体制に思うところがあるみたいで、実際クリア後は革命とか起こしたりしてそうなダイアログが出る。自身は知性至上主義で高位になれる実力を持ちながら理不尽を嫌い革命を志すのがかっこいいね。なぜそういう考えに至ったのか、原因となる幼少期の友人とかいるとエモいし、そういうバックグラウンドなくただそう思っただけならそれもエモい。

 

SQ

飄々としていてなかなかつかめない女性キャラ。

人狼的には演技力が高い厄介プレイヤーで、嘘も見抜いてくる強キャラ。こいつが人狼のときはめっちゃ人間の懐に入り込もうとするタイプ。

ZE☆みたいな語尾をつけたりレッツファイ!とか言ってきたりと軽いお調子モノな発言が多い一方で人狼の立ち回りを見ているとかなりクレバー。二面性のあるキャラで、裏側の性格をゲームでの性能で表現するという演出方法がかなりいいなと思いました。

こいつも裏の設定がかなりネタバレ感強いので黙っておきます。が、SQ関連のイベントはどれも濃くていい。

かなり好きなキャラ。

 

ジナ

ヒロイン力抜群の女性キャラ。

人狼的には雑魚。演技力が低くてすぐ嘘がバレるし推理力系も軒並み低い。ただし後半になると直感が強いキャラに化ける。でもやっぱり直感が高い自覚がないのもいい。

嘘をつくのが下手というのは能力の低さというより人格による部分が多そうで、人狼であろうとも嘘をつくことに強い抵抗感を持つ実直なキャラ。ジナが人狼になったときには自己犠牲の道を選ぶことさえある。

儚い美人、芯が強く優しくて誠実、一方天然でマイペースな面もあると、あまりにヒロイン力が高い。1枚絵も他キャラに比べて多かった気がする。

ストーリーの核心にはほぼ絡まないがイベントに恵まれているし、どれもヒロインっぽい。絶対に開発者にジナ推しがいる。

 

ここまで初期メンバー。ここからは登場順を無視して僕の書きたい人から書いていく。

 

沙明

名前の読み方が難しいのに女主人公にしかどう読むか教えてくれない女好き(女性には限らない)キャラ。自分は性別「汎」を選んだので教えてもらえなかったがシャーミンと読むらしい。

なんだかんだ1番好きなキャラかも知れない。鋼錬のグリードっぽい。

人狼的にはとにかく自分が生き残ることを最優先し、人間の時は吊られない・噛まれないことだけ考えて行動し、なんなら投票で処刑が決まっても必殺技DO⭐︎GE⭐︎ZAで吊り回避してくるメンタルツワモノ。人狼の時は潜伏してどんどんライン切ってくる。と思いきや意外と仲間の時庇ってくれるし、仲間が吊られると「勝手に死んでんじゃねーよ…」と言ってくれる。いいね!

 

初対面からいきなりセツにセクハラ紛いのことをするので第一印象は最悪だが、逆にこいつは絶対いいキャラだと思った。

で、実際いいキャラ。自分の身を守ることを優先するものの他人に興味がなかったり冷酷だったりするわけではなく、ちゃんと生存者がいたら喜ぶし特殊なバックグラウンドを持つやつを気遣ったりしている。空気が読める常識人。ただしセクハラだけは我慢できない。

個人的に、「ウェーイ!フゥゥゥ!」とパリピ発言をした1秒後に「つーわけでお疲れー」と冷静になる温度差が好きです。

 

夕里子

全てを知ってる謎に包まれた女王様キャラ。

こいつも沙明と並んで好きなキャラ。

人狼ゲーム的にはクソ強キャラ。カリスマ性があって周りの意見を煽動してくるので敵に回ると超厄介。嘘を見抜く力も高くロジカルシンキングも出来る。また非常に交戦的で、夕里子が人狼になった時初手で主人公とセツにだけ人狼であることをバラしてきて「私を破滅させなさい」と言ってくることもある。

ラキオの時にも書きましたが、こういう女王様キャラがちゃんと強キャラな作品が大好きです。

 

物語の核心をめちゃくちゃ知っているが全く教えてくれず、教えてもらうためには夕里子が出してくる挑戦に勝たないといけない。この教えるための条件がモノとか夕里子が得するものではなく戦いというのがいいですね。

こいつはタイムループしてないただの未成年のはずなのに超えてきた修羅場の数が違うぜっていう風格を出している。かっこいい。

 

コメット

自由奔放で直感が鋭い元気キャラ。

人狼ゲーム的には嘘を見抜く直感がずば抜けていて味方の村側の時は投票の参考になって大変助かった。コメットが人を疑う場合いつも直感。そのにロジックはない。

 

ふーん?(ニヤリ)的な実はやり手です風カット絵がしばしば使われるが、多くの場合あんまりやり手じゃないおバカ。本人も自覚しており、自分は鋭いけど難しいこと考えられないからロジックは任せた!と主人公に協力を持ちかけてくるし、人狼同士の時は足手纏いだから捨ててくれと言ってくる。自分の能力を客観視できているバカは大好きです。

体にあるカラフルな刺青は実は粘菌。こういうサイド設定ものちに活きてくる(?)シーンがある。いろんな生態系や社会を出してくれる宇宙モノ、スターウォーズ味があって好きです。

 

ククルシカ

声が出せない可憐で天真爛漫な少女。

人狼ゲーム的には、可愛げがありすぎて全然吊れなくて困る。後半になると「哀しむ」という最強の同情集めスキルを連発し、黒出しされても全然票が入らない。実際可愛いので仕方ない。

 

少女のような天真爛漫な笑顔を見せる一方、大人の女性のような表情をすることもあり、深みを感じるキャラになっている。

前半では可愛い女の子枠来たなってくらいであまり印象がなかったが、途中から数々の「ククルシカ騒動」を起こし一躍スターになる。

が、どれもネタバレすぎるので逆に書くことがない。

 

ジョナス

残念なロリコンおじさん。

初登場では渋くてやり手の知識人って感じで出てきたが、回を追うごとに残念度があがっていく。ククルシカの可愛がり方が絶妙にキモい。

人狼ゲーム的にはどの能力も平均以上にまとまっていて一見強そうに見えるが、敵に回っても怖くないしなんか最終日から2日目くらいにスッと死んでる。

宇宙開拓時代の英雄が引きこもりになってゲームをやり続けた末路。感性が時代の変化を受け入れられないおじいちゃんで、未だにAIやロボットの概念を理解していないし理解しようとしない。

他にも頭のねじがぶっ飛んでいるイベントがいくつかあるが、中でも沙明の素晴らしい自己犠牲シーンに水を差したのだけは許さん。

 

しげみち

愛すべきアホ。

こいつがいるだけで場が和む。

人狼ゲーム的には嘘を見抜けないしすぐ騙されて人狼を頑張ってかばうし、人狼のときはウキウキで名乗り出てはすぐウソがばれて死ぬ。あるイベントではゲームに勝ったテンションでそのまま人狼だと口を滑らして2コマ漫画みたいに吊られてた。

見た目はまんま宇宙人だがちゃんと人間。訳あってこんな見た目になってしまった。88歳のはずだがわんぱく少年のような言動でなんやかんや愛されている。

手に持っている銃は攻撃用ではなくラーメンの汁の塩分濃度を測る装置です。

 

レムナン

かわいそうキャラ。

かわいそうな目にあってる美少年が好きなお姉さま方にウケそうなキャラ。こいつだけかわいそうなイベントが多すぎる。

人畜無害です、臆病です、といったキャラながら、ウソがばれた時や処刑されるときの恨み言や目つきからレムナンという人間の本質が見れていい。

人狼ゲーム的にもキャラ的にも特に印象はない。

 

ステラ

残念おじさんジョナスの秘書。

公式設定にもある通り印象が薄い。

人狼ゲーム的にも雑に吊られるし、人狼でも特に何かしてるイメージはない。

唯一印象に残っているのは人狼だと正体を明かしたときの白目むいた変顔。

 

オトメ

知性を持ったイルカ。

見た目のインパクトに対し特に感想がない。優しくていい奴なのは確かだけど、印象としては人狼の時の顔が怖いってくらい。

人狼ゲーム的には「哀しむ」コマンド連打で同情を引いてくるがククルシカに比べると大したことない。

 

シピ

猫大好き人間。

最も印象がない不遇なキャラ。新しい設定を思いつかなくて場つなぎ的に出てきたとしか思えない。

設定が何にも生かされてないし、ストーリーが進んでも特にキャラクターの解像度があがらない。

人狼ゲーム的にはちょっと厄介くらいで、弱くて面白こともないし強くてすごいこともない、地味。

 

人狼パートについて

総じて面白かった。

 

役割は人狼・村人・預言者霊媒師・狩人・狂陣・双子・狐の8種類をゲームの世界観に合う役職に変えている。ストーリーと絡ませた役職の設定が結構好き。

人狼をやったことがあればすっと入ってくるのでとっつきやすいと思う。

 

各キャラクターがそれぞれ強み・弱みをもっており、以下の各ステータスが割り振られている。

  • カリスマ:自分の意見を押し付けやすい
  • 直感:嘘を見抜きやすい
  • ロジック:論理的に説得するスキルが使える
  • かわいげ:投票されにくくなる
  • 演技力:嘘が見破られにくくなる
  • ステルス:噛まれにくくなる・意見を言いまくっても警戒されにくい

直感がめっちゃ高くてすぐ嘘見抜くやつとか、カリスマが高すぎて疑ったらむしろ疑った側が反撃を被るやるとか、かわいげが高くて全然吊れないやつとかいろいろいる。ストーリーが進むと新たな能力が開放されたり、弱みが突然強いみに変わったりと面白い。

各キャラの特性を理解してくるとその攻略が結構楽しい。

主人公はゲームを進めるごとにレベルアップしていくので、上記のうち好きなステータスを伸ばすことが出来る。天才美少女のロールプレイしたい場合はかわいげとロジックを上げればいい。

 

ゲームの難易度は遊び方次第。

配役設定やプレイ人数、さらには自分の役職もカスタマイズしてプレイできる(し、それが出来ることがストーリーに組み込まれている)ので、やりたいことができて楽しい。

設定によっては自分側にめっちゃ有利に設定することも出来るので、初心者でも楽しめると思う。逆に厳しい設定で遊ぶことも出来る。

 

また常にルール通りのゲームをしているわけではなく、自分がグノーシアであることを夜時間にバラしてくるときもあれば、狐に負けたはずなのに世界平和を願う狐が自ら死を選んで勝ちに変わったり、処刑したはずの人狼が何故か復活したりなど、いろいろなイレギュラーも起きるので飽きない。ただし終盤イベントの全回収をしているときはちょっとダレる。

 

詳しく知りたい人向け

昼間の議論では、「誰かを疑う」「誰かをかばう」「様子を見る」が基本コマンドで、疑ったりかばったりすると他のキャラが主人公に賛同したり反対したりする。様子を見ると、他のキャラが疑ったりかばったりするので主人公を含めた他キャラが賛同したり反対したりする。

5回これを繰り返した後に公開同時投票を行い処刑する。

このゲームでの推理は基本的には議論中の疑う・かばう発言、そして投票先からラインを見極めることになる。盤面整理が上手になる。

 

他の要素としては、確率で相手の嘘を見抜くことができ、この場合嘘をついてるやつは人狼・狐陣営が確定する。また他キャラの中でも嘘を見抜くのが得意なやつがいて、彼らの投票先や発言から、主人公自身は嘘を見抜いていないがメタ的に嘘つきを見つけることも出来る。今やってる2周めでは各キャラの特徴をわかっているので、このメタ嘘つき発見が猛威を奮っている。

1ゲーム10分とかで回せるので、何度もプレイし続けてしまい寝不足になる。

 

またRPGらしくレベルアップという概念がある。人狼においてレベルアップってなんだと思ったが、意外と機能していて面白い。

レベルが上がるごとに上記の6つのうちひとつのステータスを上げることが出来る。

僕は普段の人狼プレイスタイル通り、ロジックと演技力をとりあえずガン上げした。が、多分ロジックはあんまりいらなかった。考えるのはプレイヤー自身なので仮想空間でロジックが上がっても特に役には立たない。カリスマがあればプレイヤーが考えたロジックを周りに押し付けることが出来る。

追記:今2周めをしているが、「昨夜噛まれた人が投票している先を疑う」というムーブをするにはある程度ロジックが高くないといけなかったらしい。ちょっとは上げたほうが良さそう。

一方直感がめっちゃ強い。どうしてもNPCとの対戦なので相手の挙動や発言から推理は難しい。その補完として「直感」というパラメータがある。これは相手の発言時に嘘を見抜ける確率があがるスキル。

カリスマと村人側は直感、人狼側は演技力を上げていけば勝てる。かわいげとステルスは初期値のままでいい。いらん。

人狼のときは1ターン目に預言者COして、味方の人狼に投票してるキャラAに投票してるキャラBを噛んでAに黒出しして吊るのが強い。なぜかNPCたち噛み先の投票先をめちゃくちゃ重視する。

村側のときは投票先と直感でだいたい見抜ける(ようになる)。NPCたち結構情に厚いのかあんまりライン切りしない。特に直感高いキャラの投票先はかなり参考になる。なので、難しいのは見抜く方より周りを説得する方。ちゃんと議論中の発言を聞いてみんなの投票先を予想して少なくとも自分が吊られないように気をつけよう。

 

人狼ゲーム自体は結構面白いと思った。

ただ難点として、後半になってNPCの行動パターンがわかり、また主人公のステータスが上がってくると余裕で勝ててしまう。

それでも「特記事項」と呼ばれる登場キャラクターの設定をイベントを通して全回収しないといけないので、終盤正直ダレてくる。

イベントを回収するためには敵味方関係なくイベントに関連する人を生き残らせたり、妨害キャラを追放したりと盤面を調整する必要があるのだが、僕は勝ちたくなっちゃってよくイベントフラグを手放していた。

 

最後に

それはそれとして対面人狼したいですね。

ところで人狼TLPT(ザ・ライブ・プレイング・シアター)という、人狼を即興劇でやる劇団があって、ちょうど今公演をしています。

開幕の30分前くらいに役者さんに人狼カードが配られ、最初20分のイントロ劇以外は完全にアドリブで人狼をしながらロールプレイをするという斬新な舞台です。観客側も誰がなんの役職を持っているかわからない状態で観劇するので推理ゲームとしても面白いです。(外から人狼を推理するの、かなり謎解き好きと親和性が高い気がしています。)

現在の演目はFLAGという海賊船を舞台にした僕が一番好きな舞台設定なので、人狼が好きな人・推理が好きな人・即興劇が好きな人はぜひ見に行ってください。

oracleknights.co.jp

舞台に足を運ぶのがハードル高い場合はニコニコでも生放送をしているので是非。

セブンスキャッスルch 放送予定 | 人狼TLPT