ミルクティーを淹れる際ミルクを先に入れてから紅茶を注ぐべきか、紅茶を注いだところにミルクを淹れるべきか、これは長年続く議論である。
前者の流派をミルク・イン・ファーストと呼び、後者をミルク・イン・アフターと呼ぶが、この議論の始まりは1800年代にまで遡る。
イギリス人は議論好きである。
では現実でおそらく多数派を抑える紅茶を先に淹れる派を軸にして既存の議論をなぞってみる。
お題「紅茶を先に淹れるべきである」
肯定立論(ミルクインアフター派):ちょうどいい味わいを調整しやすい
内因性:ミルクと紅茶の適切な分量をはかるのが難しい
発生過程:紅茶を入れたあとにミルクを淹れるとかんたんに調整できる
ミルクティーでは紅茶:ミルク=2:1くらいで淹れることが多い。
少ないものを後で入れたほうが調整がしやすいし、また多くの場合ミルクはたくさんあって紅茶は飲む分ちょうどしかないので、ミルクで調整するのが合理的だろう。
重要性:おいしいミルクティーを飲みたい
否定立論(ミルクインファースト派):科学的においしい
固有性:ミルクを先に淹れることで急激に温度が上がらずタンパク質が熱変性せず美味しいミスクを飲めている
75度を超えるとミルクのタンパク質は変性してしまう。熱変性したミルクは風味が落ちる。
発生過程:熱い紅茶にミルクを流し込むと温度が上がり75度を超えてしまう。
王立化学会 2003 引用はじめ
Milk should be added before the tea, because denaturation of milk proteins is liable to occur if milk encounters temperatures above 75℃. If milk is poured into hot tea, individual drops seperate from the bulk of the milk and come into contact with the high temperatures of the tea for enough time for significant denaturation to occur. This is much less likely to happen if hot water is added to the milk. Once full mixing has occurred the temperature should be below 75℃, unless polystyrene cups were used.
引用終わり
重要性:おいしいミルクティーを飲みたい
否定反駁
肯定反駁
- はかるのはめんどくさい!
- 俺は貧乏人ではない!
- そもそもタンパク質の変性なんか気づくかよ!
...
こんな感じだろうか
だが不毛な論争に終止符を打つアイデアを思いついた
カウンタープラン:ミルクも紅茶も同時にいれちまえ!
これをこうして(水160ml)
こうして(ミルク160ml)
沸騰させて
茶葉を計って(2人分、ここでは6g)
茶葉はお湯に浸しておいて
Note: 茶葉が開いていないとミルクになじまず抽出できないので先に浸しておこう
沸騰する直前に火を止めて茶葉を入れて
軽く混ぜて
蓋をして蒸らして
普段より長め(3分目安の紅茶なら4分〜5分くらい)待って
美味しいロイヤルミルクティーの完成!
...
ところで僕はストレートティー派です